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2012.03.13

taca- Wind of Legendのアルバムジャケットができるまで

プロジェクトの始まりは、昨年8月の「TRAVELOGUE(五感に触れる音楽会)」の時。
アコーディオン奏者・ tacaさんから、新しいCDをレコーディングすることを聞きました。
tacaさんにとって三枚目となるCDで、 taca-Wind of Legendというバンドにとっては初めてのアルバムです。

そして「アルバムジャケットのアートディレクションを頼みたい」
とのお話をいただきました。
tacaさんとは、数年前にパリで出会ってからのつきあい。
そして私たちはtaca-Wind of Legendの音楽が大好きなので、「ぜひ!」ということになり、プロジェクトチームが動き出し始めました。

20120313-CD Disucss.jpg


デザインを担当することになったのは、「TRAVELOGUE」や「夜の森」でおなじみの高野美緒子さん。高野さんもパリに住んだ経験があり、きっとパリの空気感を伝えてくれそうという期待感からアートディレクターとして入って頂きました。写真は、パリ在住カメラマンの神部シュンさん。コピーライティングやフライヤーのテキスト作成は、川内有緒&川内イオが担当。全体のディレクションは新谷佐知子が担当することに。

11月の終わりから毎週のようにパリと東京を結んでスカイプ会議が行われました。
大切にしたいイメージは?
何にインスピレーションを得て曲を作っていますか?
このCDの曲を通じて特に伝えたいことは?

会議のバックに流れているのは当然、サンプル版としてでき上がってきたアルバムの曲。
都会の夜風のようなスピーディーでジャズらしい一曲「Spring Storm」で始まり、
二曲目は初夏のブラジルを彷彿とさせる軽快な一曲「秋風にのせて」。「雨上がりの秋の夕暮れに、夕日に向かって自転車を漕いでいる時に突然降ってきたメロディーを元に作曲しました」というtacaさんの言葉通り、まるでモンマルトルの丘を自転車でかけぬけてゆくような曲。
日本を代表するキーボディストであり作曲家の深町純氏の急逝を知り、彼をはじめ天国に行った偉大なミュージシャン達に捧げた曲「My Soulful Song」。3.11の大震災以降は、被災された方々を思って演奏しきたそうです。
ふとした日常に感じる幸せを表現した「幸せな夜」。
そして最後はアイリッシュ風のまるで踊りだしたくなるような一曲、エセ・ケルト(by Keisuke Torigoe)。
聞けば聞くほど、多様なジャンルの曲で構成されています。

どんなコンセプトでまとめたらよいのか、という時に
tacaさんがふと、呟きました。「アコーディオンは風を生み出す楽器。だから、いろいろな場所を吹きぬける”風”を感じてもらいたい」。

そうして試行錯誤を重ねながら生まれてきたのが、パリの都会の空を、楽器から生み出される音の「風」が吹き抜けていくイメージ。この凛として気持ちがいいイメージをチームみんなで共有すると、今度は写真家・シュンさんが急いで写真を撮りおろします。

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シュンさんとtacaさんは3日間かけてパリの街中を歩きまわり、さしてまざまなカットを撮影。そして最後にたどりついたのがデパート・プランタンの屋上。そこから撮った一枚がまさにイメージどおりの渾身のショット。年末も押し迫った12月29日にこの写真が届いたときは東京チームは大喜び。
そこにWind of Legendという文字が風に乗って吹き抜けていくグラフィックを載せ、今のアルバムジャケットの原案ができあがりました。

20120313-taca CD jacket.JPG


新年があけると、ジャケットのタイプや素材を決め、ライナーノーツなどのテキストや写真素材をそろえ、徐々に形としてできあがっていきました。そしてイメージはアルバムジャケット、パンフレット、ポスター、名刺などに展開されていきました。


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ジャケットの裏面には、風を生み出す楽器を操るtacaさんの写真。
そのデザインを見ながら、今回のニューアルバムを表すキャッチフレーズとして浮かんできたのは「吹き抜ける風の煌き」。まさに、空をキラリと光る音色が流れていくさまを表現しました。「風」を表すグラフィックには、特色の金を2色使いました。さらに全体にPPをコーティングしてツヤ感を出しました。試行錯誤で検討した結果、かなり贅沢な仕様に(笑)。印刷会社さんの御協力のおかげで、一同納得の仕上がりになりました。

20120313-taiseidou2.JPG
現在、このニューアルバムは日本で先行発売中で、一部のショップや書店などに並んでいます。
フランス発売は初夏になりそうです。


そして、現在taca-Wind of Legendはニューアルバム発売記念ツアーで日本全国を回っています。春の日本を力強い嵐のように縦断するツアーで、またアルバムの一曲目のタイトルからとって「SPRING STORM TOUR」と名づけられました。
そのツアーの一箇所が、今回MOVEが企画したGallery LE DECOでのライブ(渋谷・3月4日)。
おかげさまで満員御礼となりました。その大盛況のライブの様子はまた改めてお伝えします。
まずはニューアルバム発売、おめでとうございました!


ニューアルバムに入っている曲を視聴できます。 全て作曲家でもあるtacaさんがオリジナルで作った曲です。 視聴はこちら▶

tacaさんのホームページはこちら▶

[WIND OF LEGEND]
Produce: taca
Sound Produce: Keisuke Torigoe
Musicians: taca/accordion・Keisuke Torigoe/Contrabass ・Akira Horikoshi/drums・Sei Takahashi/violin・Yshihisa Suzuki/guitar)

Art Direction&Design: Mioko Takano
Photo: Shun Kanbe
Copy Writing: Ario Kawauchi & Io Kawauchi
Design Produce: Sachiko Shintani / MOVE Art Management

2011.03.02

りっちゃんのストール

20110302-sansanto03.jpg
りっちゃんのストールと出会ったのは2年前の10月。
場所は、奄美大島の加計呂麻島という小さな島。
あの頃、忙しい都会の日々によれよれになっていた私は、美しい海をたたえる加計呂麻島に逃亡して、日がなヨットに乗って泳いだり、お昼ねしたり、お散歩したり、東京をすっかり遠くに置いて来て、島をふわふわ漂っていました。
ある日、一緒に島でのんびりしていた文緒さんが「織り姫りっちゃんの家に行こうよ」と誘ってくれました。
「おりひめ、りっちゃん」。
心の中で、なんだか可愛い響きだなと呟いていたら、それは島在住の織物作家、宮下利津子さんのことでした。
午後、辿り着いたのは小さな木のお家。
「私は織物で、のぶ(旦那さん)は絵を描きながら手作りパン屋さんをしているんで
す。」なんて話しをしながら、りっちゃんは美味しいお茶をいれてくれました。

ふと見ると、部屋の隅にひっそり佇む機織り機。
そして目をみはったのは棚に並んだ色とりどりの糸。
糸ってこんなに輝くんだろうかというほど光を放っていて、一瞬で色の世界に吸い込まれました。
「これはね、琵琶の葉。そっちは、はんだま。」
りっちゃんは、蚕からとれるシルクの糸を琵琶や桜などの草木で染めて、こうして美しい糸ができあがるんだと言いました。
「このストール、気持ちいい!」
おもむろに文緒さんが羽織った淡いピンク色のストール。

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日本茜の根で染めたというそのストールを私も羽織らせてもらうと、
確かに「気もちがいい」という言葉がふわりと浮かんでくるのでした。

「それはね、羽織った人がいい空気に包まれる感じになったらいいなと思いながら織ったの。」
文緒さんは日本茜のストールを、私は桜のストールを買いました。
帰り際、どうしても日本茜の方も欲しくなり、予約をして東京に帰りました。
半年後の桜の季節。
見事に織りあがった茜のストールが届きました。
20110302-sansanto_01.jpg
肌寒い春の日にふわりと巻くと、加計呂麻島の日向の匂いを感じて、東京にいるのに、フシギとすっと肩の力が抜けて行く。
こんなストールを作る彼女は確かに”織り姫”だと思います。
りっちゃんのストールを東京にいる人に見てもらいたい、と思ったのがこの展覧会を企画したきっかけです。

今回の展示は、旦那さんである佐藤暢晃さんの水彩画とりっちゃんの織りの二人展。西荻窪にある、「みずのそら」という一軒家のギャラリーで展示させて頂くことになりました。
オーナーの小峰さんが、企画展として取り上げてくださったのです。
みずのそらは、水のお庭とカフェスペースのある、大好きな場所。
「燦々と」降り注ぐ太陽が水面をきらきらさせる瞬間を思わせるような、そんな時間になればと思います。
のんびり過ごしに来てくださいね。
「ギャラリーみずのそら」でお待ちしています。

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燦燦と sun sun to
佐藤暢晃 宮下利津子 二人展
〜加計呂麻島から届いた、絵と織りの展覧会〜
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奄美大島の南に浮かぶ小さな島、加計呂麻島。
美しい海をたたえるこの島で、太陽をいっぱいに浴びて、
祈るようにゆっくりと生まれる
二人の作品に会いにいらしてください。

宮下利津子:糸紡ぎ、草木染め、織り。
佐藤暢晃:水彩画。

日時:3月3日(木)〜3月13日(日)
12時〜19時(最終日は17時まで)

※5日(土)16時まで / 7日(月)8日(火)休み 
※初日はサントゥールの演奏があります
※6日(日)は「春 燦々。奄美茶話会」があります

場所:ギャラリー みずのそら
〒167-0042東京都杉並区西荻北 5-25-2 
tel・fax 03-3990-7590
http://www.mizunosora.com


※初日3月3日(木)の18時頃から19時まで、サントゥールというイランの楽器を、
イラン人の作曲家ルーズベーさんが、奄美・加計呂麻島をイメージして演奏してくださいます。

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<燦々と。展示の特別企画>

「春 燦々。奄美茶話会」 @みずのそら
3月6日(日) 14:00〜16:00 

”爽やかな月桃の香り、蓬の新芽のほろ苦さ、太陽の黒さとう。
島の春を味わいながら聴く島唄。光溢れる奄美・加計呂麻よもやま話。
みずのそらが奄美になります。”

会費 2,000円(奄美のお茶と黒糖、よもぎ餅付)
島唄と島のお話

島唄: 新田雅洋、脇田真由美 
お話: 佐藤夫妻&田町まさよ

●ご予約は、みずのそらに、メールでお申込み下さい。
gallery@mizunosora.com

2011.01.11

111の仲間たち。おめでとう!

今日は2011年1月11日です。

そして今日は、MOVEメンバー小熊の赤ちゃんである凛太郎くん(通称りぽ)の
誕生日でもあります。
生まれてきて1周年。素敵です!
おめでとう!!

小さな思いを胸にMOVEをスタートして、今年で11年が経ちました。
アーティストと社会を結びたいという思い。
言い換えると、表現と人々を結びたい、という言葉になるかもしれません。

11年目に思うのは、ひとつひとつの出会いを大切に、自分たちらしく
楽しもうということ。
「MOVE」という名の通り、ココロのままに、風の向くままに、
出かけてみようということ。

ものづくりや展覧会、ワークショップの企画を通じて
人の五感を豊かにすることができたら、とても嬉しいです。

ぜひ皆様と、ワクワク、じんわり感動するようなことを
ご一緒できましたら嬉しいです。

MOVE創業11周年を記念して、メッセージムービーを作りました。
ディレクターは映像クリエイタ―の野田まさこさん。
音楽は阿部海太郎さんです。
ぜひ御覧ください!

Bon Voyage! 11th Anniversary Movie

text sachiko

2010.08.24

「夜の庭」のできごと  第2夜〜第4夜

賑やかなオープニングパーティーの夜が空け、
ここから10日間に渡る展覧会がスタート。
オープニングパーティーで魂が抜けきった感がありましたが、
ほっとしたのもつかの間、実はここからが展覧会の本番だったのでした。

この「夜の庭」にどんな人たちが集うのでしょうか。
そして「夜の庭」でどんなできごとが起きるのでしょうか。

ギャラリーは午後1時にオープンです。
爽やかな日差しが降り注ぐRivoli通りをガラス越しに眺めながら、
受付けでボンヤリ。
静かにのんびりと1日が始まります。


20100824-yoruru_01.JPG


とは言ってもこの時期、パリは「SOLDE(セール)」の時期!
主要なお店が集っているこのRivoli通りはものすごい人の往来があります。

そうこうしているうちに、パラパラ人がやってきました。
アイコンタクトして、「ヴォンジュール!」と言葉を交わします。
良かった!今日も見に来てくれる人がいる。


20100824-yoruru_02.JPG
じっくり保井智貴さんのハイヒールの作品「unusable」を見ている姿。

ぶらりと買い物に来て通りがかった人や、上階にある59Rivoliの
アトリエを見学に来た人が何となくギャラリーに入って来て
自分の時間を過ごして帰って行きます。

毎日だいたい100人前後の人々が訪れました。
パーティーも合わせるとトータル1500人くらいの人が
この展覧会を見に来てくれたことになります。
けっこう凄い数!嬉しいです。

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みなさんいろんなメッセージを残してくれました。
フランス人、日本人、イタリア人、韓国人、アフリカ人...などなど。
様々な人種が行き交うパリならではのヴァラエティーにわくわく。

展示を見て「トレビアン!!」とわざわざ目を輝かせて声をかけてくれる人には
抱きつきたいくらい。
結構いました。そういう素敵な人!

展覧会3日目。

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藤田美希子さんの作品「月夜のこどもたち」を見入る人々。
藤田さんの作品は非売品だったのですが、
「オレはどうしてもこの作品が欲しいんだ!!」と言ってなかなか
納得してくれない人も出現するほどの人気ぶりでした。
藤田さんの作品には、人を惹き付けてやまない魅力があるのです。
絵の向こう側に、静かで深い夜の世界が広がっているのです。

話しは戻ってオープニングパーティーの夜、
出展アーティストの小林悦子さん(通称「エツツ」。以下「エツツ」で。)が
こんなことを言い出しました。
「あのね。パフォーマンスしようと思ってるんだー。」(エツツ)
「お!ほんと?!」(サチコ)

エツツは今回刺繍作品をインスタレーションしていて、こんな感じです。
(写真後送)
まさに男女の「夜の庭」の刺繍。
刺繍の平面作品と、刺繍ベッド。

はて、エツツのパフォーマンスはどんなんだろう?と思っていたら、
展覧会4日目に、それは起こりました。

エツツが生成りのワンピース姿で現れ、突如刺繍のベッドに飛び乗り、

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そして、このベッドの上で刺繍を始めました。
衣装に刺繍枠を着けて、来ている衣装そのものに刺繍をする姿。

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すっぽり空間に収まっているエツツの姿に、来場者は一瞬人形かと思ったくらい。
でも近づくと、生きている人間らしい。
なぜか刺繍をしている。
話しかけていいものかどうか...。どうしよう。


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そんな様子を見て、
なるほど。これでようやくエツツの作品が完成したわけか!
と深く頷く新谷なのでした。

(つづく)
(text:さちこ)

2010.07.26

夜の庭、オープニングの夜

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オープニングパーティーは夜19時から始まりました。
19時になった途端にどこから来たのかぞろぞろと人の群れが!
嬉しい悲鳴です。
だいたい200人くらいの人が集まったでしょうか。
とまどいをかくせないMOVEメンバーたち。
アーティストのみんながとても嬉しそうで良かった!
パリで広報をしてくれたしおりさんのおかげです。ありがとう!

オープニングで主役だったのは母の手巻き寿司。
パリの人はおすしが大好きなんですって。
ビールとワインと手巻き寿司を囲んで談笑。
しあわせなひとときです。

今宵のサプライズは、パリのオペラ歌手と大島智美さんの衣装作品との
妖しくも素敵なコラボレーションです。
高い声と低い声が織り成す歌声と刺繍の黒の衣装とが響きあい、しばし釘付けに。
不思議な夜の時間が更けてゆきました。

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